命尽きた老母の姿に縋りつき、子が泣きわめく。
痩せこけた体で身悶え、苦痛を叫ぶ我が子の体を押さえつけ、親が泣きむせぶ。
流した涙が水に混じり、吐き出す苦悩が泡となり。
行き場のない絶望が、血を吐くような悲痛な叫びが、水底にしんしんと降り積もる。
……水が濁り始めたのは、当然の成り行きなのだろう。
こんな非情なこと、続くわけがない。
輝くほどに美しかった水は、人の欲と苦悩と絶望に染まり、異質なものに姿を変えて、黒く澱んでいく。
「限界を超えていた我らは、陸に上がるより他に道がなかった。そこで宝物庫の管理という、新たな役目を得たのだ」
あたしは、詰まった息と共に重苦しい物を胸から吐き出して、ようやく肩の力を抜いた。
そうしてやっとのことで、彼らは苦痛から解放されたんだ。
そう思ったら、ほんの少しだけ気が楽になった。
「それで、これまでの功績が認められて、小浮気は上位一族の仲間入りができたんだね?」
「功績?」
ハッ……と、自嘲する声が聞こえて、あたしの胸がまた不安に染まる。
「ただの倉庫管理の役目だけで、上位一族として認められるわけがないだろう」
「え? どういう意味?」
「上層部が、みすみす宝物を諦めるわけがない、ということだ」
痩せこけた体で身悶え、苦痛を叫ぶ我が子の体を押さえつけ、親が泣きむせぶ。
流した涙が水に混じり、吐き出す苦悩が泡となり。
行き場のない絶望が、血を吐くような悲痛な叫びが、水底にしんしんと降り積もる。
……水が濁り始めたのは、当然の成り行きなのだろう。
こんな非情なこと、続くわけがない。
輝くほどに美しかった水は、人の欲と苦悩と絶望に染まり、異質なものに姿を変えて、黒く澱んでいく。
「限界を超えていた我らは、陸に上がるより他に道がなかった。そこで宝物庫の管理という、新たな役目を得たのだ」
あたしは、詰まった息と共に重苦しい物を胸から吐き出して、ようやく肩の力を抜いた。
そうしてやっとのことで、彼らは苦痛から解放されたんだ。
そう思ったら、ほんの少しだけ気が楽になった。
「それで、これまでの功績が認められて、小浮気は上位一族の仲間入りができたんだね?」
「功績?」
ハッ……と、自嘲する声が聞こえて、あたしの胸がまた不安に染まる。
「ただの倉庫管理の役目だけで、上位一族として認められるわけがないだろう」
「え? どういう意味?」
「上層部が、みすみす宝物を諦めるわけがない、ということだ」


