神様修行はじめます! 其の五

「途方もない要求って?」


「創っても創っても、きりがないのだ。次から次へ、『もっと、もっと』と要求される」


 クレーターさんの答えに、絹糸も大きくうなづいて同調した。


「人間の欲というものはのぅ、『これでお終い』ということは、ないのじゃよ」


 人の『要求』。そして『欲』。


 人間の物欲は天井知らずで、限度がないってことは、あたしもよく理解できる。


 だって戦闘ゲームとかしていると、回復アイテムとか攻撃アイテムとか、あればあるだけ安心するもの。


 そして一個使うごとに不安になって、減った分だけ補充したくなる。


 こちらの世界の戦いはゲームじゃない。本当に、相手を殺すか自分が殺されるかの、ギリギリの戦いだ。


 アイテムの有る無しは、生死にかかわる重大事項。


 貴重なアイテムが、ひとつ欲しい。ふたつ欲しい。もう十個、もう百個、もう千個。


 ああ、せっかく増やしたのに、また使ってしまった。使った分をすぐに補充しなければ。


 まだ欲しい。もっと欲しい。我が身と仲間を守るために、もっと。もっと。もっと。


 もっと、もっと、もっともっともっと……!


「要求する方は簡単だ。自分たちが創るわけではないからな。だが我らにとっては、簡単な話ではない」


 それはそうだ。創れと言われた方は、たまったもんじゃないだろう。


 尋常では手に入らないほど貴重な品だからこそ、『宝物』だ。


 なのにそれを当たり前のように、毎日毎日、湯水のように要求されて。


 小浮気一族は、どれほど多大な負担と犠牲を払って、上層部の欲望を叶え続けてきたことか。


 あたしは、以前に絹糸が烈火のように怒鳴り散らした言葉を思い出す。


『先人達がこの宝物のために、どれほど血の汗と涙を流したか知っておるのか!』