深呼吸して、イーファンの部屋の扉をノックした。
何度となく訪れた部屋だったが、今回は特に緊張している。
こちらから何かを要求するなど、初めてのことだからだ。
「どうぞ」
返事が返って中へ入ると、イーファンは何やら分厚い書物を呼んでいるところだった。
「ああ、蘭さん。どうかしましたか?」
「は、はい。あの、イーファンさんにお願いがあって」
「私に?珍しいですね。何です?」
イーファンは書物をパタンと閉じると、体ごと蘭の方を向いた。
蘭はもう一度深呼吸すると、カイルの怪我の状態と、巫女姫の村まで行くことは困難であることを話した。
「お願いします。イーファンさん」
イーファンは思い切り困った顔をしている。
「カイルさんは、守護者の一人です」
「はい。知ってます」
「カイルさんがいなくては世界が救えない」
「シドだけでは駄目ですか?」
「瑠璃と金と銀。この3つが揃わなければ、意味がないのですよ」
「……」
「カイルさんに負担を掛けなくて済む方法を探しましょう。それでは、いけませんか」
「……」
「蘭さん?」
「カイルはずっと自分のことではなく、他人の為に頑張って来たんです。だから、だから、こんな時くらい、自分のことを考えさせてあげてもいいじゃないですか。ゆっくり休ませてあげてもいいでしょ?そんなに、世界を救うって言うのは、個人の自由を奪わないといけないことなんですか?!」
その言葉には、蘭自身の鬱憤も込められているようだった。
しかし、イーファンがその言葉に心打たれている様子はなかった。
怖いくらい穏やかに、蘭を見ている。
「世界を救うということは、それだけ厳しいことなのですよ。分かって頂けますね。蘭さん」
何度となく訪れた部屋だったが、今回は特に緊張している。
こちらから何かを要求するなど、初めてのことだからだ。
「どうぞ」
返事が返って中へ入ると、イーファンは何やら分厚い書物を呼んでいるところだった。
「ああ、蘭さん。どうかしましたか?」
「は、はい。あの、イーファンさんにお願いがあって」
「私に?珍しいですね。何です?」
イーファンは書物をパタンと閉じると、体ごと蘭の方を向いた。
蘭はもう一度深呼吸すると、カイルの怪我の状態と、巫女姫の村まで行くことは困難であることを話した。
「お願いします。イーファンさん」
イーファンは思い切り困った顔をしている。
「カイルさんは、守護者の一人です」
「はい。知ってます」
「カイルさんがいなくては世界が救えない」
「シドだけでは駄目ですか?」
「瑠璃と金と銀。この3つが揃わなければ、意味がないのですよ」
「……」
「カイルさんに負担を掛けなくて済む方法を探しましょう。それでは、いけませんか」
「……」
「蘭さん?」
「カイルはずっと自分のことではなく、他人の為に頑張って来たんです。だから、だから、こんな時くらい、自分のことを考えさせてあげてもいいじゃないですか。ゆっくり休ませてあげてもいいでしょ?そんなに、世界を救うって言うのは、個人の自由を奪わないといけないことなんですか?!」
その言葉には、蘭自身の鬱憤も込められているようだった。
しかし、イーファンがその言葉に心打たれている様子はなかった。
怖いくらい穏やかに、蘭を見ている。
「世界を救うということは、それだけ厳しいことなのですよ。分かって頂けますね。蘭さん」


