久遠の絆

「イーファンさんは、どうしてそんなことが分かるんですか?」


壁を向いたまま、そう問うと、イーファンが困ったように笑うのを背中に感じた。


「まあ、私もいろいろ経験してきたおじいちゃんですからね」


「おじいちゃん?!」


蘭は素っ頓狂な声を上げて振り向いた。


なんでこんな綺麗な人がおじいちゃん?


「だって、私はナイルターシャと対して歳が変わらないのですよ」


この前の話し、聞いてましたよね。


「あっ、そっか……」


イーファンはシェイルナータと同じ。


どういう術なのかは分からないが、数百年前から姿が変わっていないのだ。


おじいちゃんどころか……仙人?


そんな人が、あれは蘭の心の闇だというのだから、頭から否定は出来ない。


蘭はゆっくり瞼を閉じた。


それから意識を徐々に、深層へと向けていく。


真っ黒い闇。


光の差さない闇。


その闇の中に、黒い繭に包まれた心があった。






そんな蘭を手助けするように、瑠璃の石がチカチカ瞬いている。


その色はまだ混沌としていたけれど。


決して持ち主を見捨てたりしない。


そう言っているようだった。