「お呼びですか?ヘラルドさま」
「うむ。私の用は済んだ。あとは手筈通りやってくれ」
「はっ」
彼等はヘラルドの直属の部下であり、総帥以上に、この参謀に忠誠を誓う者達だ。
最後にもう一度蘭の脇腹を蹴り上げて部屋を出ていくヘラルドを、非難することもなく見送った。
「さて……まずは運ばないとな」
そんな声とともに、華奢な蘭は鍛え抜かれた屈強な体に軽々と持ち上げられた。
(わたし、これからどうなるんだろ……)
薄れゆく意識の中で、蘭は思った。
今の彼女には絶望感しかない。
なぜなら兵士たちは、その上司と同様に友好的ではなかったからだ。
(瑠璃の石も守ってくれないんだ……)
いつも蘭が危ない時は光によってそれを跳ね返してくれる石も、今は点滅すらしていない。
「お前までわたしを見放したの?」
そう問い掛けても、石は反応しなかった。
兵士の肩の上で揺られながら、蘭は人知れず泣いていた。
一瞬気を失っていたのかもしれない。
バタンという音と共に覚醒した。
スプリングの悪い椅子に寝かされている。
(ここは……?)
頭を巡らせようとすると、顔がジンジン痛んだ。
「こんな時に悠長に寝ていられるな」
先程の兵士の声がした。
よく見ようとしても、瞼が腫れているのか目がいつものようには開かない。
ヘラルドに壁に打ち付けられたからだ。
「うむ。私の用は済んだ。あとは手筈通りやってくれ」
「はっ」
彼等はヘラルドの直属の部下であり、総帥以上に、この参謀に忠誠を誓う者達だ。
最後にもう一度蘭の脇腹を蹴り上げて部屋を出ていくヘラルドを、非難することもなく見送った。
「さて……まずは運ばないとな」
そんな声とともに、華奢な蘭は鍛え抜かれた屈強な体に軽々と持ち上げられた。
(わたし、これからどうなるんだろ……)
薄れゆく意識の中で、蘭は思った。
今の彼女には絶望感しかない。
なぜなら兵士たちは、その上司と同様に友好的ではなかったからだ。
(瑠璃の石も守ってくれないんだ……)
いつも蘭が危ない時は光によってそれを跳ね返してくれる石も、今は点滅すらしていない。
「お前までわたしを見放したの?」
そう問い掛けても、石は反応しなかった。
兵士の肩の上で揺られながら、蘭は人知れず泣いていた。
一瞬気を失っていたのかもしれない。
バタンという音と共に覚醒した。
スプリングの悪い椅子に寝かされている。
(ここは……?)
頭を巡らせようとすると、顔がジンジン痛んだ。
「こんな時に悠長に寝ていられるな」
先程の兵士の声がした。
よく見ようとしても、瞼が腫れているのか目がいつものようには開かない。
ヘラルドに壁に打ち付けられたからだ。


