久遠の絆

そして人影を凝視した。


やがて顔がはっきりと見えてくる。


「あっ!!」


大きな声を出してしまって、慌てて口を押さえた。


(違う!シドじゃない!!)


そう。


そこにいるのはシド・フォーンではなかった。


(じゃあ、この人は誰?)


「君にどうしても話したいことがあって待っていたんだ」


その声は。


忘れたことのない、その声は。


「ヴァイオリンの人……?」


彼はかすかに笑ったようだった。


「久しぶりだね。元気そうで良かった。会えなくなってから、ずっと心配だったんだ」


「あなたは誰なんですか?私に顔を見せても、いいの?」


「もうそんなことを言ってられない。僕は君にすべてを話す必要があるんだ」


「わたしに?すべてを?」


ヴァイオリンの人はゆっくり蘭に近寄った。


もう彼の顔がはっきり見える。


彫りの深い整った顔立ちは、他の誰かを連想させるものだった。


「シド・フォーンに似てる……」


それを聞いた彼はふっと口元を緩めると、「僕に付いて来て」と囁いた。


「でも、迎えが来るんです」


そういえば、もう来ているはずのリリカがいない。


「彼女には少し眠ってもらった」


「えっ!?」


彼の視線の先にあった茂みを見ると、リリカが毛布を掛けられ横たわっていた。