驚いて、彼を支えようと手を差し出すと、彼はその手を握りながら、
「大丈夫。心配要らない。すぐに治るから……」
けれどそう言う彼の顔は、もう真っ青になっている。
「大丈夫なんかじゃないですよ!すぐにお医者さん呼ばないとっ」
ああ、あっちもこっちも急患だっ!
しかしシドは頑なに首を振る。
「本当にすぐだから……。だから……」
そばにいて?
「え?」
彼の声にならない声を聞いたような気がした。
(シド・フォーン?)
こんなに弱いあなた、知らないよ?
少し時間が経つと、彼の言ったとおり少し楽になってきたようだった。
それなのに。
「ごめん、心配かけたね」と言って微笑む彼を見て、蘭の胸の痛みはよりいっそう強くなるのだった。
「遅くなりました」
その時勢いよく扉を開けて、ヘラルドが入ってきた。
蘭は慌てて、まだシドに添えていた手を引っ込めた。
けれど格好としたら、ふたりが抱き合っていたように見えたかもしれない。
途端にヘラルドの表情が険しくなった。
「ここで、何をしているんです?」
真っ直ぐ蘭を見て問い詰める声にも明らかに険がある。
「道に迷って、それで……」
びくびくしながら返すと、
「まったくたいしたお方だ。警備兵を欺いて部屋を抜け出し、挙句の果てにこんな所にいるとはな」
「大丈夫。心配要らない。すぐに治るから……」
けれどそう言う彼の顔は、もう真っ青になっている。
「大丈夫なんかじゃないですよ!すぐにお医者さん呼ばないとっ」
ああ、あっちもこっちも急患だっ!
しかしシドは頑なに首を振る。
「本当にすぐだから……。だから……」
そばにいて?
「え?」
彼の声にならない声を聞いたような気がした。
(シド・フォーン?)
こんなに弱いあなた、知らないよ?
少し時間が経つと、彼の言ったとおり少し楽になってきたようだった。
それなのに。
「ごめん、心配かけたね」と言って微笑む彼を見て、蘭の胸の痛みはよりいっそう強くなるのだった。
「遅くなりました」
その時勢いよく扉を開けて、ヘラルドが入ってきた。
蘭は慌てて、まだシドに添えていた手を引っ込めた。
けれど格好としたら、ふたりが抱き合っていたように見えたかもしれない。
途端にヘラルドの表情が険しくなった。
「ここで、何をしているんです?」
真っ直ぐ蘭を見て問い詰める声にも明らかに険がある。
「道に迷って、それで……」
びくびくしながら返すと、
「まったくたいしたお方だ。警備兵を欺いて部屋を抜け出し、挙句の果てにこんな所にいるとはな」


