久遠の絆

ニアスの呼び掛けに、もう随分廊下の向こうにいた二人が振り返った。


マヤが早く行こうというようにマトの背中を押している。


胸がちくりと痛むけど、そんなこと気にしていられない。


「こっちだよ。早く!」


踵を返して走り出すニアス。


ちらりと振り返ると、マトが追って来ているのが見えた。


マヤが何か言っている。


(いいよ。マトさんが来てくれるだけで)


強気に思って、ニアスは右手に現れた大きな自動ドアの前に立った。


すばやく開いたドアに飛び込むと、そこにはまたハウレン少将の姿が。


追いついたマトが息を飲むのを感じた。


「……まだ、いたのか?」


「少将、お願いです。前線と通信を繋いでください!」


頭を下げたニアスを、少将は冷ややかな目で見下ろしている。


「これは同盟による卑劣な犯罪を、元帥閣下に訴えるためなんです。
苦しんでいる民間人を放っておいて、それで本当に国が守れるんですか?」


「知ったような口を」


険しい表情を崩そうともしない少将に、それでもニアスは必死に言い募る。


「責は全部僕が負います。だから、だから、少将、お願いです!通信を繋いでくださいっ」


少将はじっと年若の見習い兵を睨みつけている。


本来なら制裁を加えてもいいくらいの生意気さだ。


しかし。


そこまで必死になるのには、本当に切羽詰った何かがあるのか。


「……責を負う覚悟があるんだな?」


「は、はい、もちろんです」


すると少将は前に向き直り、オペレータに声を掛けた。


「前線に繋いでくれ」