数分後、学校からほど近い駅に到着した私たちは、今日から旅を共にするメンバーと対面した。

 主催者を除いた誰が来るのか知らされてはいない。

 それぞれに仲の良い友達を誘って来てほしいという廈織くんの言葉だけを聞いて私たち四人は一緒に夏の思い出をつくることになった。

 私が呼んだ橘くんの存在に悠希は嫌な顔をしたけれど、すぐに打ち解けたようだった。

 内心では、あのバスケの試合の日の出来事を、ほんの少し根に持っているようだっだけれど。


「廈織くん、おはよう!」


 廈織くんの背に向かい元気に声をかけた私に彼は振り返りながら笑った。


「あ、おはよう琥珀ちゃん! 見慣れた顔ぶればかりで内心ホッとしたよ。みんなも、今日からよろしくね」


「お前、交友関係が広いわりに人見知りなところがあるからな」


 呆れ半分に悠希が答える。


「それに、意外とビビりだしね!」


「七海まで……勘弁してくれ」


「橘くんはまだ慣れないメンバーかもしれないけれど、あんまり緊張しないで楽しんでね」


「は、はい! よろしくお願いします!」


 そこで私は廈織くんが一人なことに気が付いた。