GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

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数分後。

やけに部屋が静かになって、射し込んできた夕日が律の顔を照らした。

綺麗な律が更に美しく見えて、私はそんな彼に見とれた。

でも……瀬里に暗示なんてかけて欲しくなかった。

……私は弱い人間だ。律に嫌われたくなくて、どうしても止めることが出来なかった。

でも、理由だけはちゃんと知りたい。

どうして瀬里に暗示をかけたのか聞こうとしたその瞬間、こっちを見ていた律の眼から涙が流れて頬を伝った。

「ごめん、藍」

「律……」

「でも俺、我慢できなかったんだ。俺はヴァンパイアになってずっと一人で生きてきた。もう独りは嫌だ。藍を瀬里ちゃんの知り合いにとられたくない」

「あの人は瀬里の彼氏の親戚なだけだから」

「嫌なんだ」

律が吐き捨てるように言った。