GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

瀬里がそんな律を見てどう思ったかは分からない。

だってすぐに律から視線をそらすと、画をイーゼルに置いて私を見たから。

「じゃあ私、そろそろ帰るね。藍ちゃんまた明日ね」

「瀬里、ケーキ……」

「あのね、忘れてたんだけど今日は夕方から用事があったんだよね。早く帰らなきゃ間に合わないんだ。……彼もいらっしゃった事だし、お二人でどうぞ。あの、じゃあまたね」

「あ、下まで送るよ」

瀬里が慌てて出ていこうとしたから、私も慌てて立ち上がった。

その時、律が私を呼んだ。

「藍は着替えてて。その格好じゃ寒いだろ。俺が下まで瀬里ちゃんを送るから」

「あ……」

画のモデル用のワンピースを着たままの私に律がそう言うと、瀬里が律を見上げた。