律の眼から、涙がこぼれた。

「もっと……もっと生きたい……」

男性がフッと笑った。

「永遠の命を与えてやってもいい。私の見返りはお前の忠誠だ」

律の唇が震えた。

「助けてくれたら……貴方に忠誠を誓います」

「……よし」

ユラユラと揺れる蝋燭の炎が一際長くなった時、そこで視界が真っ暗になった。

律の、私に見せたビジョンが終わったのだ。

「り、つ」

見上げた私に律が言った。

「藍、泣かないで」

言われて初めて自分が泣いているのに気付いたけど、律だって泣いている。