「じゃあ、ゆっくり休んでね。明日ね」

「ん」


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瀬里が帰った後、私はベッドの上で考えた。

瀬里に聞いたところによると私が気を失った後、誰も犠牲になることなく人狼族とヴァンパイアとの間に新しい協定を結ぶ約束が交わされたらしい。

マリウスは今まで、ヴァンパイアの統率にあまり力をいれなかったらしいけど、これを期に種族間の争いをなくすために尽力することを誓約の一部に加えると約束したそうだ。

その誠意をくんで、人狼族もヴァンパイアの存在を認め、異種族間の争いを罰する規約を制定するための会議を開く予定だとか。

……良かったって思っていいんだよね。

仲良くとまではいかなくても、憎しみ合うのはお互いのためにならないと思うもの。

そこまで考えてから、私は自分以外の人に心の中で謝った。

ごめん。本当に……ごめんなさい。

その時、

「謝らなくてもいいんだよ。起こるべくして起こった事なのだから。君のせいではないんだよ。それどころか……私は感謝しているよ」