「その清雪も人狼族に殺されてしまったけれど」

「……」

マリウスが綺麗な瞳で私の全身を眺めた。

「清雪達を一網打尽にされはしたけれど、私にはまだ部下がいてね。君が人狼族と仲良くしているのは知っているよ」

段々と話が核心に近づく。

「で……君の望みは?」

にこやかな表情でマリウスが私を見た。

ああ、いよいよこの時がやって来た。

恐怖心はないと思っているのに震えそうになる。

でも、言わなきゃ。決めたんだ。

私は痛いくらい激しく脈打つ心臓を押さえながら、必死に喉を押し開いた。

「私を……あなたの仲間にしてください」

「どうして?」
 
切り返すようなマリウスの口調に一瞬迷ったけど、私は正直に答えた。