GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

数人の足音が、廊下の一番奥へと続く。

突き当たりを右に曲がった先の洋室は、よく翠狼達が話をするのに使っている部屋だ。

「同居人のJKは?」

「藍なら……二階だ」

「じゃあ大丈夫ね。早く作戦をたてましょう」

「……ああ。星狼はまだか?」

「調べものが残ってるみたい、もう着くわ」

身体に稲妻が走った気がした。

私が二階にいると分かると、カグヤさんの口調がガラリと変わったから。

今までの脳天気でアバウトな口調ではなく、真剣で何か強い感情を秘めたようなしっかりとした話し方だった。

なに?どうして?

頭の中で目まぐるしく考えながら、気づくと私は部屋を抜け出して階段に身を隠していた。