GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

カグヤさんが翠狼を好きなのは分かってる。

じゃあ翠狼は……カグヤさんをどう思ってるんだろう。

翠狼はあの通りカッコいいしカグヤさんもとても綺麗な人だ。

スタイルがよくてロングの黒髪が艶やかで。

悔しいけど二人はとても似合っている。


『翠狼は私のものよ。あなたには渡さないから』


翠狼の気持ちを知りたいと思った。

本当に翠狼は、カグヤさんのものなんだろうか。

彼はカグヤさんの恋人なのだろうか。

怖い。でも知りたい。

その時、ドアの向こうから小さな声が聞こえた。

「藍」

翠狼……。

彼が部屋まで来てくれて、名前を呼んでくれたのが嬉しくて胸がキュッとするのに、今からカグヤさんが翠狼に会いに来ると思うと苦しい。

「……藍」

低くて男らしい声に、胸が震える。

「藍、入るぞ」

「……無理」

ポツンと口を突いて出た抑揚のない声に、自分自身嫌になってしまう。