ビクッとして声のした方を向くと、道を隔てた向こうに翠狼の姿があった。
街灯に照らされた翠狼は組んでいた腕をほどくと、大股で道路を横切り、みるみる私達に近付く。
「おい!藍から離れろっ」
戸惑いながら私に乗せていた手をゆっくりと下げる山下君から、荒々しく翠狼が私を引き離す。
「帰るぞ!」
「……っ」
腕を強く引っ張られ、山下君にバイバイと言う間もなく車に乗せられてしまい、私は驚く事しか出来なかった。
ウィンカーを出し、車を発進させた翠狼はグッと眉間にシワを寄せて前を睨んでいて、私は思わずゴクリと喉を鳴らした。
……ちゃんと連絡はした。
『さよなら会の仕度で今日は少し遅くなる』って、ラインしたもの。
翠狼からは『了解』って、ちゃんと返事が来て……。
季節がら日が落ちるのは早い。
車内の時計を見ると六時半を過ぎていたけど、七時にはまだなっていない。
街灯に照らされた翠狼は組んでいた腕をほどくと、大股で道路を横切り、みるみる私達に近付く。
「おい!藍から離れろっ」
戸惑いながら私に乗せていた手をゆっくりと下げる山下君から、荒々しく翠狼が私を引き離す。
「帰るぞ!」
「……っ」
腕を強く引っ張られ、山下君にバイバイと言う間もなく車に乗せられてしまい、私は驚く事しか出来なかった。
ウィンカーを出し、車を発進させた翠狼はグッと眉間にシワを寄せて前を睨んでいて、私は思わずゴクリと喉を鳴らした。
……ちゃんと連絡はした。
『さよなら会の仕度で今日は少し遅くなる』って、ラインしたもの。
翠狼からは『了解』って、ちゃんと返事が来て……。
季節がら日が落ちるのは早い。
車内の時計を見ると六時半を過ぎていたけど、七時にはまだなっていない。


