GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

「だって今の時期忙しいでしょ?」

私がそう言うと、山下君はニヤリと笑った。

「なんだよ、ずいぶん上からじゃん。自分は余裕ってか」

「えっ、いや、そういうつもりはっ……」

先生に志望校合格の太鼓判を押されている私は、正直皆のように受験勉強に必死じゃない。

なんか、感じ悪かったかなあ、どうしよう。

その時、

「ぶっ!ははははは!」

え?

「ほんと秀才なのに天然!お前、おもしろいな!俺、もう専学決まってるんだ。美容師になりたいから」

「そうなんだ。美容師さんかあ……」

……そう言えば、山下君はいつも綺麗だ。

髪は品の良い栗色で、眉もケアしているけどナチュラルで違和感はまるでない。

顔立ちも可愛いし、美容師さんになったら人気が出そうだ。

「……なに?」

山下君が少し眉をあげて微笑んだ。