GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

ザワザワとしたクラスの中で、声がかき消えてしまわないように、私は口を開いた。

「うん」

「じゃ、決まりな!」

……よかった。

私は何だか気が軽くなる気がして全身の力をそっと抜いた。


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「あはははは!」

「なんだよ、そんなに笑うなっ」

「だって、パパの下着だったんでしょ?!」

「柄が一緒だったんだ。しかも、時間なくて履き替えられなかったんだ。で、試合中、ずれまくり」

「はははは!負けちゃったんだ」

「だって、集中できねーじゃん。ユニフォームは大丈夫なのに下着だけがずれるってマジないわー」

「あはははは!」

黒板に貼り付ける文字を考え、書体を決めた私達はようやく午後六時を過ぎた頃、教室を出た。

「ごめんね」

私の言葉に山下君が優しく笑った。

「なんで?」