GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

『翠狼は私のものよ。あなたには渡さないから』


胸の中にどす黒い何かが生まれる。

それは煙のように隅々にまでいき渡り、やがて私の身体を隙間なく埋め尽くす。

……気付いてないですって?ううん、気付いてる。

気付いてるよっ!!

知り合ったばかりだし、人狼の存在だって初めて知ったけど……!

理解できないことなんかまだまだいっぱいあることにだって気付いてる。

私は彼に比べたらまだ子供で、足手まといな事も。

それに……いつの間にか……翠狼に惹かれているこの気持ちにも。

私はベッドに突っ伏すと、声を殺して泣いた。