GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

硬直する私に、カグヤさんが皮肉げに笑う。

「ほらね。直ぐにそんな傷付いた顔をするような女は、彼に似合わない」

彼女は更に続けた。

「あなたまだ高校生でしょ?なら、それ相応の相手を見つけなさいよ」

……え……?それ相応の相手……?

意味が分からずにカグヤさんを見つめるしかない私に、彼女は呆れたように笑った。

「気付いてないの?!そこまでガキなんだ。じゃあ尚更翠狼には似合わない」

カグヤさんは私を小バカにしたように唇だけで笑うと、踵を返した。

「翠狼は私のものよ。あなたには渡さないから」

瞬きも出来ない私は、バタンと閉まったドアをただ見つめた。

翠……狼……。