「藍?遠慮しなくていい」

我慢していたはずなのに、徐々に視界がにじんできた。

アッと思う間もなく頬に跡を残し、転がるように涙が落ちる。

「翠……狼……」

「どうした?言ってみろ」

ああ、こんな事を言ったら翠狼は私を変だと思うだろうか。

でも、言わずにはいられない。

私だって何かしたい。助けてもらってばかりで苦しい。

私だってあなたを助けたい。

「私は……あなたに助けてもらってばかりで、守ってもらってばかりで、凄く申し訳ないと思ってる。私も……あなたを守りたい。翠狼に辛い思いをしてほしくないの。幸せでいてほしい。人狼の存在を知ったばかりで、よく分かってないのに生意気かもしれないけど、翠狼がいるから人狼の皆は安心に暮らせるんだと思う。きっと皆、あなたを好きだと思うの」

翠狼は、急にこんな事を言い出した私に驚いて眼を見開いていた。