嫌だ……嫌だ、嫌だ、怖い!

眼を開けなきゃ、眼を開けなきゃ!

さっきまで開けたくないと思っていた眼が、開かない。

どうしても、開かない!

助けを呼びたいのに声を出せない。

声がでない!

「ううー……!」

ありったけの力を振り絞ってようやく出した声は悲鳴でも叫びでもなく、呻き声だった。

ダメ、こんなんじゃ誰にも気付いてもらえない。

ああ、でももうダメだ……!

その時、誰かが私の手を掴んだ。

それも引っ張るように。

「藍。大丈夫だ」

力強く私を握る大きな手、落ち着いた優しい声。

その時、またしてもフラッシュバックが起こった。