「あの時の狼達はすべて俺の仲間だ。俺達は《人狼》と呼ばれる種族で簡単に言うと半分人間半分狼だ。この度の騒ぎは俺達との協定を乱すヴァンパイアの制圧の為だった」

律達ヴァンパイアの……制圧。

ヴァンパイアに、人狼……。

目眩がした。

クラリと大きく頭が振れて、反射的に後ろに手をつく。

私がそのまま倒れると思ったのか、雪野一臣は素早くこちらに手を伸ばした。

「大丈夫か?」

……バカじゃないの?大丈夫な訳ない。

雪野一臣と瀬里が、二人して私を真剣な眼差しで見つめた。

「藍ちゃん………」

「いかにも心配してますって顔しないでよ」

私の言葉に瀬里の顔がみるみる凍り付くのが分かったけれど、私は自分の言葉を止めることが出来なかった。