GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

必死の思いで飛び降りると、私は瀬里と共に生け垣の傍に転がった。

何かが膝にガツンと当たり、食い込んだような激痛が走ったけれど、痛がっている場合じゃないのは分かっていた。

「瀬里、こっちよ!」

「桜花さん!ありがとう!」

咄嗟に声の主を振り仰ぐと、そこには長い黒髪の美しい女性が腕を伸ばして立っていた。

「すぐそこに車を待たせてある。さあ、早く」

瀬里が返事をして私を引っ張り上げた。

「行くよ、藍ちゃん!走るよ!」

「う、うん」

何が何だか分からないけれど、瀬里の言う通りにするしかない。

話を聞くのは後だ。

私は歯を食い縛ると、死に物狂いで走った。