GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

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「何してんのっ……」

勢いよく庭に飛び出し、門扉を開けて駆け寄った私に、雪野一臣は驚いて眼を見開いた。

「なんだ」

「何だじゃないよっ!」

私がグッと見上げると、雪野一臣は小さく咳払いをしてプイッと横を向いた。

「たまたま通りかかっただけだ」

ダークブラウンのダウンコートを着て手袋をはめている雪野一臣は、どう見ても通りすがりには見えない。

だって心なしか顔色が悪いもの。

「……っ、なんだ」

私は雪野一臣に一歩近づくと、背伸びをして彼の頬に手を押し当てた。

「……顔が凄く冷たいけど!いつからいたの?!まさか、一晩中……」