GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

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翌日、土曜日。

一睡もできずに迎えた朝の光は、私の眼に容赦なく射し込む。

眩しい……てか、痛い……。

出るんじゃなかった、バルコニーになんて。

寒いし、朝の光にこんなにダメージを受けるなんて。

でも、元気が欲しかったんだ。

……朝陽を浴びたら、この沈んだ心と身体が少しだけでも元気になるかもって。

でも、室内から外を眺めるのと実際に外に出るのとでは全然違うこの温度。

身を切るような寒さとはまさにこの事だ。

「くしゅん!」

……ダメだ、風邪引きそう。

その時だった。

部屋に戻ろうと踵を返した時、眼の端に誰かが映った。

庭の塀に、誰かが身を預けて俯いている。

あの、小さな形のいい頭は……。

私は身を翻すと一目散に玄関へと駆け降りた。