GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

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どれくらい泣いたか分からない。

涙が枯れるなんて嘘だって、今分かった。

涙は枯れない。次々に溢れては流れる。

キッチンの床にへたりこんだ私は、瀬里と雪野一臣の顔を思い返した。


『もしも何か悩んでるなら私でよかったらなんだけど……なんでも話してね』

『俺が絶対に守ってやる』


嬉しくて泣きそうになったり、どう表現したらいいか分からない、フワリとした感覚。

誰からも言われたことのない言葉に、信じられない思いだった。

でも、甘えるわけにはいかない。だって律はヴァンパイアなのだ。

いくら雪野一臣が強いとしてもヴァンパイアには勝てっこない。