GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

ああ。これを知ったら雪野一臣は何と言うだろう。

私をバカだと怒るだろうか。

でも、私はこうするしかないのだ。

それから……最後に、本当に最後に一つだけ聞かなきゃならない事が残っている。

私の問いたげな表情に、律が少し眉をあげた。

「なに?何か質問でも?」

「私を……」

律が苛立たしげに私を睨んだ。

「声小さくて聞こえないんだけど」

頑張れ、まだ泣くな、まだ泣くな、私。

「何もかも、嘘?」

律がフワリと笑った。

「嘘だよ。最初からみんな嘘。俺が君なんか好きになるわけないだろ?ただファシネイティングブラッドが欲しかっただけ」

そう言った律の微笑みは最初に出会った時のように綺麗で、私は息をするのも忘れてただ佇んでいた。