GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

「……いいよ。私を必要としてくれるなら……貴方にあげる、なんでも」

私の言葉に律が肩を揺すった。

「さすが……俺に恋してるだけあるね」

グシャグシャと、刃物が胸に突き立てられたような痛みが走る。

カラカラになった喉を必死で押し開きながら、私は続けた。

「だけど条件がある」

律が僅かに両目を細めた。

「……なに?」

「瀬里を殺さないで。それだけは許さない」

「は?条件って……そんなくだらない事?」

その言葉に、私の全身が冷たくなっていく。

律にとって、人を殺す殺さないなんて事は取るに足らない物事なのだという事実。

でも、ここで怯むわけにはいかない。