GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

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「俺、絶叫マシーンとか苦手だけど」

「私は律と乗りたい。ほら、行こう!!」

律と遊園地の最寄り駅で待ち合わせた私は、こちらを見下ろして眉を寄せた彼の腕に自分の腕を絡ませた。

「律。私ね、いつか彼氏ができたらこういう所に来たかったんだ。だから今日は凄く嬉しい」

私が律を見上げて笑うと、彼はわずかに眼を見開いて私を見下ろした。

「……そっか」

不思議だった。

待ち合わせて顔を見るまでは、怖くて心臓が痛いくらい脈打っていた。

なのに律の姿を見た途端、昨日の出来事が本当は嘘なんじゃないかと思ってしまう。

律の柔らかな笑顔や、私に伸ばす手。