早く返事を返さないと不審に思われるんじゃないだろうか。

でも、怖い。

スマホの画面から眼を離せない私に瀬里が、

「どうしたの?もしかして律くん?」

ハッとして瀬里を見ると、彼女は首をかしげてニコニコと微笑んでいる。

「あ、うん。今日デートしないかって」

「うわぁ、いーなあ!あ、そうだ知ってる?隣町の遊園地にさ、新しい絶叫マシーンが増えたらしいよ。園内のBuono!パスタも、カフェ専用スペースが広がって今日がリニューアルオープンなんだって!律くんと行ってくれば?」

私は無邪気な瀬里にぎこちなく言葉を返した。

「そうなんだ……詳しいね」

すると瀬里が少し頬を膨らませた。

「実は明日、先輩と一緒に行く約束してたのに、出張が長引いちゃったみたいで帰れないって」