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「おっはよー、藍ちゃん」

「……おはよう」

瀬里は昨日の出来事を覚えていないみたいだった。

きっと、また律に暗示をかけられているのだと思う。

私は……どうすればいいんだろう。

帰り際、車を降りようとした私に雪野一臣が念を押した。

「とにかくお前はアイツに気付かれないようにしろ。瀬里にもだ」

律は、わかる。でもどうして瀬里まで……。

律の前でボロが出るのを防ぐためかもしれないけれど、いつまでこの状態が続くのか不安だ。

そう思っている時、スマホが短く鳴った。

……律からLINEだ。

『藍。今日デートしよ』

デート……。どうしよう。