目眩がしそうになった時、雪野一臣が私の手を強く握った。
彼の指の強さが、私に『しっかりしろ』
と言っている。
破裂しそうな程心臓が脈打って、なんだかこの状況が夢の中みたいだったけど、私は必死で歯を食い縛った。
見つかるわけにはいかない。
しっかりしろ!しっかりしろ、私!!
分からないけど、分からないけど、良くない事態なのは分かる。
行くぞ、と雪野一臣が眼だけで私に語りかける。
しっかりしなきゃ。しっかりしなきゃ。
足の指全部に力を入れると、私はゆっくりと一歩下がった。
それから頷くと、出来るだけ気配を殺してその場を離れる。
この時の私は、痛いくらい歯を食いしばり、目眩に耐えるのが精一杯だった。
彼の指の強さが、私に『しっかりしろ』
と言っている。
破裂しそうな程心臓が脈打って、なんだかこの状況が夢の中みたいだったけど、私は必死で歯を食い縛った。
見つかるわけにはいかない。
しっかりしろ!しっかりしろ、私!!
分からないけど、分からないけど、良くない事態なのは分かる。
行くぞ、と雪野一臣が眼だけで私に語りかける。
しっかりしなきゃ。しっかりしなきゃ。
足の指全部に力を入れると、私はゆっくりと一歩下がった。
それから頷くと、出来るだけ気配を殺してその場を離れる。
この時の私は、痛いくらい歯を食いしばり、目眩に耐えるのが精一杯だった。


