GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

やがて清雪の声が静かに響いた。

「律。早くしなきゃならないよ。百年前に飲んだFascinating bloodの効力がもうすぐ切れる。次が必要だ」

「分かりました、では早急に」

「……律。期待しているよ。それと……逃げられないようにね」

律が爽やかな声で答えた。

「まさかご冗談を清雪様。彼女……藍は俺にベタ惚れですよ。取り逃がすなんて有り得ません」

このまま、心臓が止まってしまう気がした。

ああ、律……。

あまりにも胸が痛くて、私はその苦痛に顔を歪めた。

私が……私が『Fascinating blood』なんだ。

意味は、分かる。

ファシネイティングブラッド……魅惑の血。