GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

清雪が呆れたように息だけで笑った。

「……この娘にそれをさせるのか?」

この娘?まだ誰かいるの?

入り口の近くの壁に張り付いている私に、部屋の中は見えない。

律が口を開いた。

「はい。この女……瀬里は使えます」

瀬里?!瀬里がいるの?!どうして?!

思わず息を飲んだ私を雪野一臣が鋭い眼差しで見た。

「……」

分かってる、見つかっちゃいけないのは。

私は雪野一臣に頷くと再び視線を落とし、中の様子に集中した。

「実は、瀬里は犬どもと通じておりまして……我らの儀式が終わった後にでも、見せしめとして殺し、やつらに送りつけるのもいいかと」

息苦しくて死にそうになる。

これは、夢なんだろうか。

だって律が、律がこんな事をいうなんて。