GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

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インターホンが鳴り、私は二階からそのまま玄関へと向かいドアを開けた。

一階のどこかの部屋に入ってモニターを確認すれば来客が誰が確認できたのに。

「はい。律?」

「話がある」

やって来た人物を律だと疑っていなかった私は、急に耳に届いた聞き覚えのある低い声にビクリとして息を飲んだ。

顔を上げた私の視界に、雪野一臣の端正な顔が飛び込む。

「なに」

「見せたいものがある。ついてこい」

もう午後六時だ。

冬だけに辺りはすっかり暗い。

なのに、見せたいもの?

雪野一臣と関わると律が嫌がる。

大好きな律に嫌われたくない。

「悪いけど行けない。帰って」

私は雪野一臣から眼をそらすと首を横に振って、玄関ドアを閉めようとした。

「待て。真実から眼をそらすな」

「なにそれ。意味わかんない。さよなら」

素早く雪野一臣が私の腕をつかんだ。

「お前に必要な事だ。しっかり見て自分で判断しろ」

「なに……?怖いんだけど」

「怖くてもしっかり見ろ」

嫌な予感しかしない。

絶対律に関係ある事だ。

だって、予感がするもの。

私はこれ以上雪野一臣を拒むことが出来ずに、ぎこちなく頷くと出掛ける用意をした。