GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

****

数日後。

「藍ちゃん。今日は私、用があるの。画のモデルは明日頼める?」

「うん、いいよ」

「無理言ってごめんね。じゃあ先に帰るね」

瀬里はニッコリと微笑んで私に手を振ると、教室から出ていった。

近頃はみんな、試験に向けて頑張っているみたいで帰るのが早い。

私は誰もいなくなった教室の窓から正門を見下ろして背伸びをした。

「……今日は予定がなくなっちゃったけど、どうせ夕方には律が来るだろうから真っ直ぐ帰ろうかな」

私はゆっくりと席を立つと、廊下に出て歩き始めた。

あ、そうだ。

律と……一緒にDVD見ようかな。

そういうの誰ともしたことないから誘うの勇気いるけど……。

そんな事を考えながら正門を出ると、私はレンタルショップへと向かった。