GREATEST JADE~翡翠の瞳に守られて~

「藍が、あの男に盗られそうな気がして嫌なんだ。俺は藍を誰にも渡したくない。こんな気持ちは生まれて初めてで、自分でも制御出来ない。愛してるんだ、藍を」

「律、私は律のものだよ。律しか見てない」

「……ほんとに?」

私は律に抱き着いた。

「ほんとだよ。だから安心して。律だけだもん、私を理解してくれるのは」

「藍……」

律が私の身体を引き寄せて、両腕で囲った。

「ずっと一緒にいてくれる?」

「当たり前だよ。私、ずっとずっと律と一緒にいる」

律が瞳の涙を拭いてフワリと笑った。

「藍。好きだよ」

嬉しくてたまらない。

律が好きでたまらない。

私は瀬里に対する罪悪感より律への愛が大きくて、彼しか見えていなかった。