「あと、矢吹くんはちゃんと期日に間に合うように作ってね。そのソフト」 万雪の隣にいる新人エンジニアにそれだけを言い残して、眠りにつく。 「怖い怖い。篠原さんって綺麗なのに本当に容赦無いっすね……」 「そうね」 「でも、俺、こういう人好きっす……」 「あら。でも、諦めなさい。冬雪ちゃんには離れても大好きな人がいるから」 そんな二人の会話が聞こえたけど、無視して寝る。 もうすぐ、もうすぐ彼に会える……。