「やっぱり、こうなったか……」 怪しく光るパソコンを覗き込む影が一つ。 その影は眼鏡の奥に光る眼光が鋭い男のものだ。 彼はパソコンの前から立ち上がると、マグカップにコーヒーを注いだ。 一口飲むと、再度パソコンに視線を戻した。 そこのパソコンには二人の男女が池の中で抱き合う姿が映っている。 「君の決意はそんなものだったのか、篠原冬雪」 もちろん、パソコンに話しかけても返事が返ってくることはない。 しかし、彼はそんなことを気に留めることなく、マグカップを傾けて中身を飲む。