好きになれとは言ってない

「メリークリスマス。
 まだ早いが」
と言いながら、航はコートから細長い箱を出してきた。

「これは……」
と言うと、

「指輪は嫌いなんだろ」
と言う。

「あ、開けてもいいですか。
 っていうか、私、今日はまだ、課長になにも用意していませんっ」
と焦って早口に言うと、

「いや、別になにもいらない」
と言ってくる。

 包みを開けると、この人、こんなブランド知ってたのか。

 もしや、選んだのお義母様か、真尋さんか? と思う、普段でも使えるような、可愛い薄紅色の薔薇を模ったネックレスが出てきた。

「あの、課長、つけてくださいますか?」
と照れながらも言ってみたのだが、航は困った顔をする。

「……やっぱいいです」

 なにか申し訳ないような気がしてきてそう言うと、
「いや、やる」
となにか負けた気がしたのか、言ってきた。