好きになれとは言ってない






 狭い路地を歩く間、航はずっと考えていた。

 星の話が始まったが、こいつは星とか見るのだろうか。

 だが、一年通して、オリオン座しか発見できないとか言ってるぞ。

 さほど興味はないんだろうな。

 実は、祖母の家には、天体観測ドームがあるのだ。

 好きなら連れていってやってもいいんだが、それほどでもないようだしな、と話すかどうか迷って沈黙してしまう。

 すると、遥は唐突に、
「寒くなってきましたよねー」
と言ってきた。

 天候、気候の話題は、話につまったときに出てくるものだ。

「そうだな」
と答えてやると、

「そうだ。
 コンパ、クリスマスコンパにしたらどうでしょう?

 盛り上がりそうじゃないですか?」
と言ってくる。

「クリスマスって、まだそんな時期じゃないだろう」

「ハロウィン済んだらクリスマスになりますよ」

 遥はそんな強引なことを言い出した。