「ポテト寄越せ」

「ナゲットと交換」

「仕方ねーな」


同じクラスの鈴木がどうだとか、部活での佐藤がこうだとか、そんな何でもない会話を交わしながら、レジで注文したポテトやらバーガーを食べる。

この食生活、部活引退するまでには何とかしないとなぁ……。このままいくと、ブタさん真っしぐらだよ。


「そういやお前、今日の朝、何かあった?」

「朝って……なんで?」

「お前の教室覗いたら、何かを持ったまま固まってたから」


何かを……って、あー!!


「そうだ、忘れてた! ねぇ康介、“リョータ”って名前に心当たりない!?」

「……リョータぁ?」


あまりに脈絡のない問いかけに、康介が怪訝そうに眉根を寄せる。

う。やっぱそうなるよねー……。


「……俺が知ってるのは、日下部亮太と森凌太くらいだけど。その2人なら、お前も知ってるだろ?」


怪しみながらもちゃんと答えてくれる康介は、優しい。

へへ、姉ちゃんは嬉しいよ。


「うん、知ってる。でも、それだと内容が合わないんだよねぇ……」

「内容?」


私の言葉に、ぴくりとした康介。

あ、しまった……!


「知らないならいいの! 突然変なこと聞いてごめん、ありがと!」