リョータからの手紙の返事が届かないことを、考えないようにしてるだけ。




私が遅くなってしまうことはあっても、リョータからのレスポンスはいつも早かった。

私が手紙をポストに入れて、リョータが受け取ったのが5月中旬。

5月下旬のインターハイ県大会を勝ち上がり、地方大会へと駒を進めることが決まっても──彼からの返事はなかった。




「はぁぁぁ……」


唸るように溜め息を吐いて机に突っ伏した私に、真田が苦笑する。


「まだ来ない?」


遠慮がちではあるものの遠慮なく聞いてくる辺り、さすが真田だと思う。


康介に自分の想いを打ち明けた後、事の顛末を真田にも伝えた。

康介への気持ちもリョータへの想いも、否定せずに聞いてくれた真田。

私の話を聞き終わると、彼女はまるで私がリョータのことを好きだとわかっていたかのような反応を見せた。