そう言うと宮崎は黙り込んでしまった。


手は変わらずわたしに封筒を向けたまま。


宮崎はまっすぐわたしを見ながら静かに口を開いて言葉を紡いだ。



「……あんたがそういう人間だとは思ってなかった。なんか、幻滅」


「え?」



聞き返したわたしの声にすぐには反応せず若干無視しながらも、宮崎の瞳はわたしをしっかりと捉えている。



「あんたは嫌だと思うだろうけど、あんたはなんだかんだ言ってやっぱり女子っぽい」


「……」


「あんた正直者だから、思ってること口に出すじゃん」


「…よく言われる」


「うん。だけど、あんたは人から言われたことを鵜呑みにする系の典型的な女子でいてほしくなかった。そうじゃないと思ってた」


「ごめん、ちょっとよくわからない」



頭がこんがらがってきたわたしは右手で宮崎を制して眉根を寄せた。


こんな人でいてほしくなかったとか、そうじゃないとか、言われたことない。


まだそんなに関わりのないこいつに、わたしのことを知ったようにこんなこと言われるとは思ってもみないじゃない。


これを聞かされたわたしはどうしたらいいの。


どうしてほしくてそんなこと言うの?