あと一欠片のピース





やばいやつなのか。


……そうか、残念。


でもこれを中谷さんが言ってくるあたり、あまり信用ならない。


何かに気がついた彼女が何か仕組んでいるような風に見える。


大体、わざわざわたしに向かって言ってくるあたり、この人わたしが白い封筒もらってたこと知ってたんじゃないの?



「もし次に白い封筒来たら、開けない方がいいからね!」


「あーうん」


「白い封筒は、3つ目を開けた時点であちら側の世界との扉が開くらしいんだから! 藤野さん、いくつ開けた?」


「えっと、2つ」


「じゃあ次がやばいってことだ!」


「あーうん、そうだね」



さっきまでの圧がどこかへ行ってしまってフレンドリー全開の彼女の言うことがどうも信じられなくて、生返事をするわたし。


そんなわたしに気がついてか気がつかずかわからないけれど、彼女がわたしの手を包み込んで握った。



「藤野さんっ」


「はい?」


「気をつけてよね!!」


「あ、うん。どうも」



……なんだこれ。


ねえ、ほんと何これ。



「じゃあ藤野さん、またね!」



訳がわからず呆然とするわたしを気にすることなく中谷さんはわたしに可愛らしく手を振って屋上を後にした。


ぞろぞろと幸せオーラ全開のカップルが屋上を支配しにやってくる。


いつもだったらそれがうざいと思うはずで、そこから一目散に逃げ出すはずなのだが、わたしは佇んだまま悩んでいた。