「〝今宵、貴女の〟か」
「あー続き気になる。今宵の、の続き」
「ほんとそれ」
パズルとにらめっこして、明日にならねば届かぬ次のピースの言葉を思案してみる。
……何も思いつかない。
わたし馬鹿だからね、しょうがないよね。
茜は思いついているのか思いついてないのか、というか、考えてすらいないような顔をしている。
……あ、違うな。
考えてはいるけど茜の言葉を借りたところの〝パズルさん〟のことじゃないことを、だろう。
と思えば、茜がパチンと手を叩いた。
「ね、今宵」
「いいよ、来れば?」
「え?」
「今日の夕飯、でしょ」
かあっと茜の顔が朱に染まる。
ほら、だと思った。
なんだかんだ茜は、乙女だ。
それもすごく、純粋な乙女だ。
千のことがすごく好きで、それを隠そうとするくせに好きに抗えない、正直な乙女だ。
「今宵の家、急に行っても大丈夫、かな」
「大丈夫。わたしのお母さんって、茜のこと大好きだから。むしろ大歓迎」
「……ありがと」
俯く茜に、思わず頬が緩んだ。
かわいい、恋する乙女って、かわいい。


