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「あら今宵ちゃんじゃない、久しぶりね」
「ご無沙汰しています。暫く顔を出さずにいて、すみません」
「いいのよ」
1番最近会った時のやつれた顔の面影のない、おしゃれなおばさまが玄関戸を開けてくれた。
「来てくれて嬉しいわ」
「ありがとうございます。お邪魔します」
先輩に連れられて来たのは、青木家。
「真尋、久しぶり」
仏壇に大切に置かれた笑顔の真尋の写真に、うるりと目が緩む。
ああ、そうだ、こんな子だった。
こんな風に楽しそうに笑う子だった。
この笑顔がみんな大好きで、真尋はみんなに愛されていたんだ。
ゆっくりと手を合わせて、目を閉じる。
真尋。
久しぶりだね、藤野今宵です。
あなたはもしかしたら、わたしに来てほしくなかったかもしれない。
一年経った今更来てもって、思うかもしれない。
今まで忘れていたくせにって、思うよね。
でも、わたしの自己満足のためにちょっと付き合って。
この一年、ぽっかりと穴が空いているようでずっと無気力なわたしが続いていて。
それが昨日やっと解明されました。
わたし、やっぱり真尋と一緒にいたかったんだって。
真尋を失ったせいで全く物事に手がつかなかったんだって、そう思ったんだ。
真尋は違うよって、言うと思う。
だけど、わたしは違わないと思う。
綺麗事かもしれない。
わたしが楽になりたいからこう言ってるのかもしれない。
もつと時間が経てば違うことを言うのかもしれない。


