あと一欠片のピース





屋上の出入り口に歩き出した千だったが「あ、そうだ」とわたしの元へ戻ってきた。



「これ、落ちてたぞ」


「えっ」



慌ててスカートのポケットに手を突っ込むと、あったはずのものがない。


いつ落としたのだろう。



「大切なものはちゃんと持っとかなきゃだめだろー」


「うん、ありがと」



ピンと額を弾かれて、手に落としたものが戻ってくる。


それを大切に握るわたしを見て、千が「あ」と何か思い出したように言った。



「今宵。最後に1つだけ聞かせて」


「いいよ」


「おまえの1番の男友達って、俺でいいよね?」



ふふん、と自慢げな千。


まったく、千らしい。



「もちろん。千はずっと、これからも1番の男友達だよ」


「だよなっ!」



ニーッと太陽のような笑顔をして、千は屋上から出ていった。


さすが光王子だ。


自然とつられて笑顔になったわたしは、手の内に戻ってきた白いパズルを眺めた。


千から渡された時、彼がパズルさんなのだと思ったのだが、どうやら違ったらしい。


白いパズルがわたしの方を向いているのは、白い面。


そしてこの裏は、文字があるはずで。


今までのピースは全て揃っていて。



「……あと、1ピース」



手の内にあるピースが、あと1つの最後のピース。